※エロ注意※猫のシュレディンガーは電動コケシの夢を見るか
※下ネタが含まれます。苦手な方はご遠慮ください。
※暴力描写が含まれます。苦手な方はご遠慮ください。
※熟年の女性の気分を著しく害する表現があります。自分が「熟年の女性」であると自覚のある女性の方はご遠慮ください。
さて、今日は我が家の猫、シュレディンガーを伴って彼の持病の定期検査のため動物病院に行ってきたわけであり、倖田來未をもうすこし上品にした感じの受付嬢兼助手をいつものように拝んできたわけである。
物騒な注意書きに、その受付嬢との秘密の逢瀬の日記を期待された方もいるかもしれないが、残念ながら僕にそんな甲斐性は微塵も無い。
そもそも僕は新垣結衣みたいなのが好みであるし、それ以前に、倖田だの新垣だのと贅沢を言える立場じゃないという明白すぎる前提を忘れない程度には、客観的視点を欠いてはおらぬつもりである。
ところで、客観的と言ったそばから自分で言うのもなんだが、僕はなぜかおばちゃんにウケがよい。まあ、そのため以前とあるバイトではその利点を最大限に利用してそれなりにもうけさせてもらったわけであるが、そのバイトが何だったのか、あえてここには明かさないことにする。正解が予想できた人は、メールで聞いていただきたい、コメ欄に卑猥な単語が並んじゃいそうだから。と、まったく要らぬ心配をしてみる。それから、僕はバイト斡旋などもできないことをご理解いただきたい。
それにしても、このおばちゃんウケというのは僕の若い女性からの評判がすこぶる悪いことに対して、神がお情けをかけてくれたのであろうか。
もっとも、おばちゃんフェチでもなんでもない僕がこのことの恩恵にあずかれるのは、バイトより他は、彼女の親御さんに挨拶しに行くときくらいであろうが。いやまてよ、昔交際していた、お園(仮名)のお母様は鬼の形相で
「このスケベが!変態が!」
と、まだスケベなことも変態なことも何もしたことがない僕を頭ごなしに怒鳴ってきたではないか。
ちょっと余談になるが、しかしあれが親の正しき姿であろう。僕も仮に自分の娘に彼氏ができたら
「おお、君が健太君か。娘から話は聞いてるよ。うちの娘がお世話になってるねえ。」
と彼氏君の肩に手を置いて親しげに話しかけ、
「いえ、そんな」
と恐縮する彼氏君に対し
「で、娘とどこまでいったんだい?Aか?Bか?その先か?」
とあくまで笑顔で会話をつなぎ、
「いやそんなとんでもない」
と照れて耳を赤らめる彼氏君に
「なあに、私も若いころはいろいろとやったもんだ」
と見え透いたうそをつきながら
「私にだって君と同じ年頃の男の子だった時期があるんだ。君の気持ちぐらい手に取るように理解できる。頭ごなしに殴ったりはせんよ。で、どこまでいったんだい?Doしちゃったんだろ?えぇ、ドゥー?」
と、おちゃらけてみせ、
「いえ、そんな」
と、照れ笑いを浮かべつつもあと少しで心を開きそうな彼氏君に、
「娘から聞いたよ、やっちゃったんだろ?この、このぉ☆」
と笑顔とともにハッタリをまぜた親しげなセリフをあびせ、ついに彼氏君の口から
「はい、実は…」
との自白を得たところでようやく僕はそれまで封じていた烈火のごとき怒りを露にしてつかみ掛かり、
「こおぉぉのっ!変態があぁぁっ!!!!貴様、娘と何回ことに至ったか正直に答えろ!!!!ただし『覚えてない』という答えは『1000回ヤッた』と解釈し、その時点から0.25秒でお前を殺スッ!!!」
と言いながら彼氏君を蹴飛ばし、
「な、殴らないって言ったじゃないですか?」
と抗議する彼氏君に、手に取った玄関脇の竹刀を突きつけ
「ああ、殴ってない。蹴っただけだろう?嘘はついとらん。俺は嘘が大嫌いだからな。お前はしてるよね?嘘や隠し事。おじさんにはみーんなお見通しだよ?だから貴様も正直に答えろ!!どうやって避妊してるか?ピルだったら貴様の爪を全て剥ぐ!コーラとかほざいたら貴様の内臓を引きずり出す!!でもね、正直に答えれば、命だけは許してあげるんだよ?さあ全て答えろ!!正直にだ!答えないつもりか…?そうだ、いいことを教えてやろう、この竹刀は我が家に伝わる妖刀撲殺丸と言うんだが、こいつにはウソ発見器が仕込んであってな、そうやって貴様の目が泳ぐたびごとに振り下ろされる仕組みになっておるのだ。さあ俺の目を見ろ!ウソついてると、ヒキニクになっちゃうよぉ?!(ビキビキ)おや、ウソの味がするぜぇ?ほら、殺されちゃうよ?お前は怒った竹刀に頭を割られて殺されちゃうよ?だから、ほら、お話しよ?ね?お話、おはなし…あははははは…あああああああぁぁぁーはっはっはっはっはっは………ハァアアァーッッッ!!!!」
と言って竹刀を振り回しながら、町内中を逃げまわる彼氏君を追い回すであろうことは容易に想像がつく。
と、将来出てしまうかもしれない自分の暴挙について今のうちに正当化しておいた。
脱線が長くなったが、結局、僕はあまりおばちゃんウケの恩恵にあずかってはいないのじゃないか。もうちょいましな埋め合わせの仕方ってものがあるんじゃないか、なあ、神様よ。と無神論者のくせに自分がモテない事の責任を神に転嫁してしまう見苦しさをお許しいただきたい。
そんなこととはあまり関係のない話であるが、この病院に来るときはいつも、他の犬連れや猫連れのおばちゃんがたと和気藹々と話をしながらロビーで診察を待つわけである。
隣に座った他人とは決して口を交わさぬのが暗黙の前提となっている今の日本にありながら、この動物病院はよい意味で時代錯誤である。
ロビーには、僕と看護婦さん以外の(相対的な意味で)若い人間など皆無であるから、小柄なメスのアメリカンショートヘアを抱いた新垣結衣似の女の子が
「アメショー飼ってるんですか?うちもなんですよ。男の子?かわいい。お名前はなんていうの?」
などと微笑みながら親しげに話しかけてきて猫談話に花を咲かせる可能性など万に一つもないわけであるが、それを差し引いてもあまりあるほど、この前時代的な空間はなかなか僕の気に入るわけである。
さて、診察の順番が回ってくると、先の改良版倖田來未型受付嬢兼助手に導かれるまま、診察室にシュレディンガーを寝かせるわけであるが、このときになるといつも、ばつの悪い事態に発展する。
というのも、彼は診察台の匂いをかぎながらよだれを垂らし転げまわるわけである。
どうも、診察台に宿る好みの女性の残り香と、彼の異常に強い性欲がそうさせるらしい。名誉か不名誉か知らぬが、異常性愛者にしてノーベル物理学賞受賞、量子物理学ほか様々な分野で名をとどろかす20世紀の巨人エルヴィン・シュレーディンガーに、性欲だけは似ちゃったらしい。これは名付け親冥利に尽きるべきところなのであろうか、まったく判断に窮する。
こんな僕の脳内での嘆きに近いつぶやきをよそに、性欲をもてあましてのた打ち回るシュレディンガーを目にした浄化版倖田來未型助手はいつも「飼い主に似ちゃったんですね」といたずらっぽく口にするわけである。
あなたは僕の何を知っているというのか。
僕の顔には20世紀の巨人クラスの性欲がにじみ出ているとでも言うのか。
まったく不名誉なことである。
余談になるが、獣医さん曰く
「最近、何人かが猫にシャミセンと名付てますけど、シュレディンガーちゃんといい、それといい、流行ってんですか?そういう過激なの。本当に2分の1の確率で殺したり、三味線にしなきゃ、いいんですけどね」
僕は吹き出しそうになるのをこらえた。するわけないじゃないですか。獣医さん、あなたは良識をわきまえていらっしゃる。だから僕も安心して猫を託すことができるというものだ。
※暴力描写が含まれます。苦手な方はご遠慮ください。
※熟年の女性の気分を著しく害する表現があります。自分が「熟年の女性」であると自覚のある女性の方はご遠慮ください。
さて、今日は我が家の猫、シュレディンガーを伴って彼の持病の定期検査のため動物病院に行ってきたわけであり、倖田來未をもうすこし上品にした感じの受付嬢兼助手をいつものように拝んできたわけである。
物騒な注意書きに、その受付嬢との秘密の逢瀬の日記を期待された方もいるかもしれないが、残念ながら僕にそんな甲斐性は微塵も無い。
そもそも僕は新垣結衣みたいなのが好みであるし、それ以前に、倖田だの新垣だのと贅沢を言える立場じゃないという明白すぎる前提を忘れない程度には、客観的視点を欠いてはおらぬつもりである。
ところで、客観的と言ったそばから自分で言うのもなんだが、僕はなぜかおばちゃんにウケがよい。まあ、そのため以前とあるバイトではその利点を最大限に利用してそれなりにもうけさせてもらったわけであるが、そのバイトが何だったのか、あえてここには明かさないことにする。正解が予想できた人は、メールで聞いていただきたい、コメ欄に卑猥な単語が並んじゃいそうだから。と、まったく要らぬ心配をしてみる。それから、僕はバイト斡旋などもできないことをご理解いただきたい。
それにしても、このおばちゃんウケというのは僕の若い女性からの評判がすこぶる悪いことに対して、神がお情けをかけてくれたのであろうか。
もっとも、おばちゃんフェチでもなんでもない僕がこのことの恩恵にあずかれるのは、バイトより他は、彼女の親御さんに挨拶しに行くときくらいであろうが。いやまてよ、昔交際していた、お園(仮名)のお母様は鬼の形相で
「このスケベが!変態が!」
と、まだスケベなことも変態なことも何もしたことがない僕を頭ごなしに怒鳴ってきたではないか。
ちょっと余談になるが、しかしあれが親の正しき姿であろう。僕も仮に自分の娘に彼氏ができたら
「おお、君が健太君か。娘から話は聞いてるよ。うちの娘がお世話になってるねえ。」
と彼氏君の肩に手を置いて親しげに話しかけ、
「いえ、そんな」
と恐縮する彼氏君に対し
「で、娘とどこまでいったんだい?Aか?Bか?その先か?」
とあくまで笑顔で会話をつなぎ、
「いやそんなとんでもない」
と照れて耳を赤らめる彼氏君に
「なあに、私も若いころはいろいろとやったもんだ」
と見え透いたうそをつきながら
「私にだって君と同じ年頃の男の子だった時期があるんだ。君の気持ちぐらい手に取るように理解できる。頭ごなしに殴ったりはせんよ。で、どこまでいったんだい?Doしちゃったんだろ?えぇ、ドゥー?」
と、おちゃらけてみせ、
「いえ、そんな」
と、照れ笑いを浮かべつつもあと少しで心を開きそうな彼氏君に、
「娘から聞いたよ、やっちゃったんだろ?この、このぉ☆」
と笑顔とともにハッタリをまぜた親しげなセリフをあびせ、ついに彼氏君の口から
「はい、実は…」
との自白を得たところでようやく僕はそれまで封じていた烈火のごとき怒りを露にしてつかみ掛かり、
「こおぉぉのっ!変態があぁぁっ!!!!貴様、娘と何回ことに至ったか正直に答えろ!!!!ただし『覚えてない』という答えは『1000回ヤッた』と解釈し、その時点から0.25秒でお前を殺スッ!!!」
と言いながら彼氏君を蹴飛ばし、
「な、殴らないって言ったじゃないですか?」
と抗議する彼氏君に、手に取った玄関脇の竹刀を突きつけ
「ああ、殴ってない。蹴っただけだろう?嘘はついとらん。俺は嘘が大嫌いだからな。お前はしてるよね?嘘や隠し事。おじさんにはみーんなお見通しだよ?だから貴様も正直に答えろ!!どうやって避妊してるか?ピルだったら貴様の爪を全て剥ぐ!コーラとかほざいたら貴様の内臓を引きずり出す!!でもね、正直に答えれば、命だけは許してあげるんだよ?さあ全て答えろ!!正直にだ!答えないつもりか…?そうだ、いいことを教えてやろう、この竹刀は我が家に伝わる妖刀撲殺丸と言うんだが、こいつにはウソ発見器が仕込んであってな、そうやって貴様の目が泳ぐたびごとに振り下ろされる仕組みになっておるのだ。さあ俺の目を見ろ!ウソついてると、ヒキニクになっちゃうよぉ?!(ビキビキ)おや、ウソの味がするぜぇ?ほら、殺されちゃうよ?お前は怒った竹刀に頭を割られて殺されちゃうよ?だから、ほら、お話しよ?ね?お話、おはなし…あははははは…あああああああぁぁぁーはっはっはっはっはっは………ハァアアァーッッッ!!!!」
と言って竹刀を振り回しながら、町内中を逃げまわる彼氏君を追い回すであろうことは容易に想像がつく。
と、将来出てしまうかもしれない自分の暴挙について今のうちに正当化しておいた。
脱線が長くなったが、結局、僕はあまりおばちゃんウケの恩恵にあずかってはいないのじゃないか。もうちょいましな埋め合わせの仕方ってものがあるんじゃないか、なあ、神様よ。と無神論者のくせに自分がモテない事の責任を神に転嫁してしまう見苦しさをお許しいただきたい。
そんなこととはあまり関係のない話であるが、この病院に来るときはいつも、他の犬連れや猫連れのおばちゃんがたと和気藹々と話をしながらロビーで診察を待つわけである。
隣に座った他人とは決して口を交わさぬのが暗黙の前提となっている今の日本にありながら、この動物病院はよい意味で時代錯誤である。
ロビーには、僕と看護婦さん以外の(相対的な意味で)若い人間など皆無であるから、小柄なメスのアメリカンショートヘアを抱いた新垣結衣似の女の子が
「アメショー飼ってるんですか?うちもなんですよ。男の子?かわいい。お名前はなんていうの?」
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あなたは僕の何を知っているというのか。
僕の顔には20世紀の巨人クラスの性欲がにじみ出ているとでも言うのか。
まったく不名誉なことである。
余談になるが、獣医さん曰く
「最近、何人かが猫にシャミセンと名付てますけど、シュレディンガーちゃんといい、それといい、流行ってんですか?そういう過激なの。本当に2分の1の確率で殺したり、三味線にしなきゃ、いいんですけどね」
僕は吹き出しそうになるのをこらえた。するわけないじゃないですか。獣医さん、あなたは良識をわきまえていらっしゃる。だから僕も安心して猫を託すことができるというものだ。
※下ネタ注意※いまどきの中学生
ちょっと前から僕は塾講師としてバイトしてるわけであるが、今日は生徒たちとの会話の中に違和感を覚えることがあった。
休み時間のことである。歴史の語呂合わせをしていた中3の男子生徒達の中に、天保の改革のとこで詰まってる生徒がいたので、つい僕は
1841
「そりゃ、いやよインポの水野忠邦だろ、おまいら習わなかった?」
と横槍を入れたところ生徒たちはきょとんとして、「インポって、なんですか?」と聞き返してきた。
そこに、思春期特有のクスクス笑いは微塵も見られなかったことから、彼らはひょっとして知らないのではないかという疑念が脳裏をよぎったが、念のため
「ちょっとまって、君ら、『一番臭い(1931)マン臭事変』とか、『苺パンツ(1582)の明智光秀:本能寺の変』とか、『いいゴム(1156)つけよう保元の乱』とか、習わなかった?」
と聞いてみたが、そのどれに対しても無反応である。
「ゴムとか覚えづらくないですか?」という突っ込みがきたので「まさか、ゴム知らないの?」と聞き返したところ「輪ゴムですよね?」との無垢な疑問文が返ってきたことに僕は驚愕した。
「まさか、君ら性教育って受けてないの?」と聞くと「当たり前じゃないですか」と即答。何が当たり前なものか。そんな当たり前が今ではまかり通るのか。
「親御さんにも?」との問いにもさも当然のごとき調子で「はい」と返されたのであるが、僕がこのあとどういう行動をとったのか、この日記を以前から読んでるあなたならもしかしたら想像がつくかもしれない。
「学校の先生はまさか君たちの『赤ちゃんってどうやってできるんですか?』という素朴な疑問に苦笑しながら何も答えず、かわりに別の話題でもって話をはぐらかすんじゃなかろうな?何ぃ?!まさにその通りだと?!けしからん!最近の教職員は君たちに何を教えているんだ?君たちに十分な量の過去分詞の不規則変化を教えないことですら閉口しているのに、この期に及んで性教育をしないだとぉ?!嘆かわしい!実に嘆かわしい!!ばつがわるくて教えられない親御さんに代わって子供らに等しく正しい性教育をするのが教師の役目であろう!!金八先生だってしていることを現場の教師がやらないのは怠慢以外の何物でもない!!ところで君、AIDSって知ってるか?どうやって感染するか答えてみろ!!何ィ?!知らないだと?!なんてことだ!君たち、時間はまだあるよな?ちょっと残っていくんだ、今すぐノートと筆記用具を用意したまえ!!保健体育ではつねに5をもらっていた俺が今から君らを再教育するっ!!!!!」
そう、暴走しちゃったのである。
ということで、小一時間ほど彼らに、僕が昔性教育で習ったことを伝えた。
彼らは終始好奇心に満ちた目で話を聞いていたが、とりあえず茶化す態度は咎め、一応これでもまじめに講義したつもりである。
授業の最後に生徒が「先生もちゃんと避妊具使ってるんですか?」と聞いてきたので、「残念ながらまだ使ったことは無い」と答えたところ、「じゃあ、子供できちゃうんじゃないですか?」と追加質問してきたから「その可能性は無い」と答えたわけであるが、「じゃあ、さっき言ってた経口避妊薬っていうのを使ってるんですか?」とまあこういうときだけ無駄に飲み込みの早い生徒による質問に「使ってない。というか君たち、あれは副作用の多い薬だから絶対飲ませるなよ」と答え、そろそろ彼らにも事情が飲み込めたろうという安堵の気持ちを打ち消すように「先生、もしかしてパイプカットしてるんですか?」「彼女さんは不妊なんですか?」との続けざまの質疑に対しついに僕も「おい貴様らいい加減にしろ。わかっててやってるんだろ?というかなんでこういうときだけ理解が早いのだ?普段の授業もこのくらいの情熱を持って取り組めば偏差値や倍率などというくだらない数字を気にせず好きな学校に入れるのだぞ?」と毒づいたところ「先生もしかしてさっき言ってたEDってやつなんですか?」とまたしてもとぼけた疑問文が返されたところでそろそろ僕は観念し
「お前たちに一つ教え忘れていたことがある。世の中には童貞という人種がいてな…」
と最後の十数分の補講を切り出したわけである。
※現場で教師をされてる方の名誉のために断っておくが、すべての学校で性教育がなされていないのではない。そういう中学校もある、という話である。
休み時間のことである。歴史の語呂合わせをしていた中3の男子生徒達の中に、天保の改革のとこで詰まってる生徒がいたので、つい僕は
1841
「そりゃ、いやよインポの水野忠邦だろ、おまいら習わなかった?」
と横槍を入れたところ生徒たちはきょとんとして、「インポって、なんですか?」と聞き返してきた。
そこに、思春期特有のクスクス笑いは微塵も見られなかったことから、彼らはひょっとして知らないのではないかという疑念が脳裏をよぎったが、念のため
「ちょっとまって、君ら、『一番臭い(1931)マン臭事変』とか、『苺パンツ(1582)の明智光秀:本能寺の変』とか、『いいゴム(1156)つけよう保元の乱』とか、習わなかった?」
と聞いてみたが、そのどれに対しても無反応である。
「ゴムとか覚えづらくないですか?」という突っ込みがきたので「まさか、ゴム知らないの?」と聞き返したところ「輪ゴムですよね?」との無垢な疑問文が返ってきたことに僕は驚愕した。
「まさか、君ら性教育って受けてないの?」と聞くと「当たり前じゃないですか」と即答。何が当たり前なものか。そんな当たり前が今ではまかり通るのか。
「親御さんにも?」との問いにもさも当然のごとき調子で「はい」と返されたのであるが、僕がこのあとどういう行動をとったのか、この日記を以前から読んでるあなたならもしかしたら想像がつくかもしれない。
「学校の先生はまさか君たちの『赤ちゃんってどうやってできるんですか?』という素朴な疑問に苦笑しながら何も答えず、かわりに別の話題でもって話をはぐらかすんじゃなかろうな?何ぃ?!まさにその通りだと?!けしからん!最近の教職員は君たちに何を教えているんだ?君たちに十分な量の過去分詞の不規則変化を教えないことですら閉口しているのに、この期に及んで性教育をしないだとぉ?!嘆かわしい!実に嘆かわしい!!ばつがわるくて教えられない親御さんに代わって子供らに等しく正しい性教育をするのが教師の役目であろう!!金八先生だってしていることを現場の教師がやらないのは怠慢以外の何物でもない!!ところで君、AIDSって知ってるか?どうやって感染するか答えてみろ!!何ィ?!知らないだと?!なんてことだ!君たち、時間はまだあるよな?ちょっと残っていくんだ、今すぐノートと筆記用具を用意したまえ!!保健体育ではつねに5をもらっていた俺が今から君らを再教育するっ!!!!!」
そう、暴走しちゃったのである。
ということで、小一時間ほど彼らに、僕が昔性教育で習ったことを伝えた。
彼らは終始好奇心に満ちた目で話を聞いていたが、とりあえず茶化す態度は咎め、一応これでもまじめに講義したつもりである。
授業の最後に生徒が「先生もちゃんと避妊具使ってるんですか?」と聞いてきたので、「残念ながらまだ使ったことは無い」と答えたところ、「じゃあ、子供できちゃうんじゃないですか?」と追加質問してきたから「その可能性は無い」と答えたわけであるが、「じゃあ、さっき言ってた経口避妊薬っていうのを使ってるんですか?」とまあこういうときだけ無駄に飲み込みの早い生徒による質問に「使ってない。というか君たち、あれは副作用の多い薬だから絶対飲ませるなよ」と答え、そろそろ彼らにも事情が飲み込めたろうという安堵の気持ちを打ち消すように「先生、もしかしてパイプカットしてるんですか?」「彼女さんは不妊なんですか?」との続けざまの質疑に対しついに僕も「おい貴様らいい加減にしろ。わかっててやってるんだろ?というかなんでこういうときだけ理解が早いのだ?普段の授業もこのくらいの情熱を持って取り組めば偏差値や倍率などというくだらない数字を気にせず好きな学校に入れるのだぞ?」と毒づいたところ「先生もしかしてさっき言ってたEDってやつなんですか?」とまたしてもとぼけた疑問文が返されたところでそろそろ僕は観念し
「お前たちに一つ教え忘れていたことがある。世の中には童貞という人種がいてな…」
と最後の十数分の補講を切り出したわけである。
※現場で教師をされてる方の名誉のために断っておくが、すべての学校で性教育がなされていないのではない。そういう中学校もある、という話である。
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